小児歯科

成長発育の途中にある子どもにとって、丈夫で健康な歯でおいしく食事をするという行為は、大人と比べてとても重要です。

むし歯が右側奥歯にできると、食べ物がはさまってしまったりして痛むため、大人でも子どもでも本能的にむし歯と反対側の左側ばかりで食事をするようになります。数年後には筋肉、顔面組織の非対称成長から来る、顔の真ん中の線のずれ、顔の輪郭の変形、さらにこれが全身面へ波及し、背骨の歪みまで影響することがあります。

子どもが虫歯になる主な原因

歯磨きが上手く出来ず口内環境が不十分

「歯磨きが上手くできない」ということが挙げられます。
歯磨きできちんと歯垢を落とすためには適切な磨き方、つまり技術が必要です。子どもの場合、その技術を身につけていないため、口内の清掃が不充分になってしまいます。

乳歯のエナメル質や象牙質の薄さ

2つ目の原因には「乳歯は永久歯に比べてエナメル質も象牙質も薄い」という点が挙げられます。永久歯の半分ほどの厚みしかない乳歯のエナメル質や象牙質は、あっという間にむし歯菌に浸食され、神経まで達してしまうのです。

乳歯は食べカスが溜まりやすい

3つ目の原因は「乳歯は食べカスが溜まりやすい」という点です。特に乳歯の奥歯の溝は清掃が不完全となり、虫歯菌が繁殖し、酸を出しやすい環境を作ってしまうのです。

子どもの歯みがきについて

保護者みがき

歯が生えてきたら歯みがきのスタートです。
まず赤ちゃんが歯ブラシに慣れるようにしましょう。
歯ブラシを鉛筆の持ち方でにぎり、赤ちゃんの頭をお母さんの膝にのせて、寝かせた形でみがきます。
また、むし歯になりやすい奥歯の噛み合わせ4ヶ所と上の前歯は特に注意してみがきましょう。
歯ブラシの毛先を歯にきちんとあて、軽い力で小きざみに動かしてみがきます。
手の力を抜いて優しく一本ずつみがきましょう。
この時、上の前歯の近くにあるひだ(上唇小帯)を強くこすらないように気をつけましょう。

仕上げみがき

お子さまが上手にみがけるようになるまでは「仕上げみがき」をしましょう。
特に3歳半からは乳歯が生えそろったり、顎が大きくなって歯と歯の間にすき間ができたり、口の中の変化の激しい大切な時期です。
生えはじめの背の低い奥歯や生え変わりの歯並びが凸凹している部分などは、歯ブラシが届きにくいので、歯ブラシを口のななめ横から入れ細かく動かすなどの工夫をして丁寧にみがくように心がけましょう。

点検みがき

点検磨き
小学1~2年生頃になると、永久歯が生えてきます。
永久歯はこれから一生使用するとても大切な歯です。
お子さまがみがいた後には、不充分なところをみがいてあげるようにしましょう。
特に歯面は、3つに分けて考え、中央部は毛先全面を使ってみがき、左右の隣接面は歯ブラシの脇でみがきましょう。
また、生えたての奥歯(6歳臼歯)は、やわらかく酸に弱いだけでなく、背も低いので、丁寧にみがきましょう。

むし歯にさせないための予防法

むし歯に強い歯をつくるフッ素

フッ素は歯の再石灰化を促進し、むし歯に強い歯質をつくる性質を持っていることから、むし歯の予防処置に用いられています。乳歯や軟らかい生えたての歯は酸に弱いため、子どもさんのむし歯予防に有効な処置です。
1回のフッ素塗布では充分な効果が得られないため、3~6ヵ月毎の定期検診時にフッ素塗布を行って、むし歯の予防効果を高めます。
また、フッ素の歯面塗布は、多くても年に数回の実施なので、慢性毒性の心配は全くありませんし、急性毒性についても適正な用法においては、十分な安全性が認められています。

歯を削らず痛みがない、シーラントによる予防

奥歯の噛む面には溝があり、むし歯が出来やすいところです。ここにシールをしてむし歯を予防する方法がシーラントです。
シーラントは歯を削ることがないの で痛みはありません。ただし、このシールが剥がれることもありますので、定期的に検診をする必要があります。
また、シーラントを行ったからといって、必ずしもむし歯が出来なくなるというものではありません。正しい歯みがきをしなければ歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間からむし歯になってしまいます。シーラントをした 後も、正しい歯磨きをしっかり行いましょう。

6才臼歯について

6才臼歯について
永久歯の第1大臼歯のことを一般的に6才臼歯といいます。
6才臼歯は永久歯の中で最も早く生えてくる歯です。一般的に6才頃に生えてくるのでこのように呼ばれています。

6才臼歯は上と下の歯の噛み合わせを決定するため、正しい場所に生えてこないと、次に生えてくる歯の歯並び、顔の形、噛み合わせに悪い影響を及ぼします。
また、乳歯の1番奥のさらに奥に生えてくるため、歯ブラシが届きづらく、むし歯になりやすい個所でもあります。生え始めの時期はエナメル質も柔らかく、酸にとても弱い状態なので注意が必要です。

妊婦さんの予防歯科「マタニティー歯科」

マタニティー歯科は、「悪くなったら行く歯科」ではありません。妊婦さんと、その大切なお子さまの「お口の健康を守るための歯科」です。
妊娠すると女性ホルモンの増加などにより、歯周病になりやすくなります。さらに歯周病は陣痛を起こすプロスタグランジン産生を促進させるため、早産の可能性を増加させてしまいます。
気持ちや体調の変化から、歯科治療を受けたくても受けられなくなってしまうこともあるかと思います。私どもはそういった妊婦さんの心への配慮も欠かさず努めておりますのでおなかのお子さまのためにも、妊産婦検診に合わせて予防歯科をお受けください。

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